パートのこれからの変化

市場が広範囲に広がることが、労働市場の最大の特徴であるといってよい。
そしてそれぞれの制度化の違いに応じて、それぞれに異なる「市場」が成立する。これがここにおいて述べたいことであり、そのような「市場」の1つとして、実は日本型の雇用システムがある。
同じくアメリカ型やドイツ型の雇用システムがある。この意味で「市場型」と呼ばれる普遍的なシステムがあるわけではない。

それぞれに異なる「市場型」のシステムが存在するのであり、その制度化の違いに応じて、それぞれは転職を促進し、あるいは制約する。「市場型」のシステムを展望するにしても、このような観点からその具体的な在り方を比較検討することが必要とされている。
いずれにせよ、日本型雇用システムが大きな変容に迫られていることは間違いない。しかし、それは「市場型」システムを掲げ、それに向けて日本型システムを根本的に改革すべき、といった議論とは無関係である。
ましてや日本型システムが維持されるのか崩壊するのか、といった議論とも無関係である。これまでと同様、日本型雇用システムは変動するのであり、それは環境条件の変化に起因する不可避の過程であるとともに、人々の選択の問題でもある。
問われているのはわれわれの未来展望であり、何を目標とし、何が可能で、何が賢明であるのかの冷静な認識である。このようなものとして日本型雇用システムの行方について考えたい。
雇用システムの構造と機能システムを正しく理解する観点。日本型雇用システムの現在の変動は何か、その将来の行方は何か、これが述べたいことであるが、翻っていえば、何をもって「日本型」と呼ぶのかが、この十数年来の主要なテーマであった。
日本の雇用システムに観察されるさまざまな特徴の単なる指摘ではなく、それを「日本型」と呼ぶためには、それがある特有の形で「構造化」されていることが示されねばならない。その上で、その「構造」の「機能」が明示される必要がある。
雇用システムを構成するのが、具体的には採用や報酬や昇進の諸制度であれば、いうまでもなく、それはシステムごとに異なっている。問題は、これらの諸制度が全体としてどのように組み立てられているのか、つまり相互に関連しあったものとしてどのように「構造化」されているのか、それによってどのような「機能」が達成されるのかという点にある。
このとき、それぞれの諸制度はシステムごとに固有のものである以上、「構造」を述べる議論はともすれば、「特殊性論」に傾きがちとなる。


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